Posts Tagged ‘#SST’
🌱今週のST勉強室✏️vol.7 認知発達を知って、「みんな違って、みんな良い✨🤝✨」
こんにちは。ことのは1号館、言語聴覚士の原田です🙇♂️
本日は前回の告知にも書きました、【抽象概念】と【仮説演繹的思考】について書いていこうと思います👆..と思いましたが、抽象概念についてはvol.2で詳しく述べているので💦、ここでは仮説演繹的思考について書いていこうと思います😅
先週からなかなか、告知通りに進められておらず、記事投稿初心者丸出しです..トホホ😂
はい❗️では、気を取り直していきたいと思います←強引に切りかえました🏃♀️(笑)
仮説演繹的思考とは、難しく書いてありますが要するに「もし〜ならば、〇〇する」という考え方ができるようになるという事です❗️❗️これは英語でいう、if構文の様な事で、未来や過去といった時系列の理解をするのに必要な力でもあります。こういったある種の仮説を立てて答えを導き出す仮説演繹的思考は、9歳でようやく発達し始める抽象概念より、さらに言葉の発達を必要とします👆
そして、その抽象概念よりも高度な仮説演繹的思考ができなければ、子供たちの成長と共に複雑化してくる社会の中で子供たち自身の混乱が生じてくる事が言えると思います😵
例えば、中学校に入ると校則が厳しくなると思いますが、校則というルールにおいて、仮説演繹的思考ができなければ、「(もし)制服の乱れがあれば、違反である」といった事が理解できず、校則を守る意味さえ理解できないかも知れません😢
ですので、学校に行っても叱られることばかりの日々で、ストレスも強くなり、学校生活におけるつまずきの原因になる事が出てくると思います。また、ルールの理解はスポーツ⚽️やゲーム🃏などでの対人関係にも大きな役割を果たしますので、社会生活における仮説演繹的思考の役割はとても大きいですね🤔
次に、仮説演繹的思考ができる様になれば、「自分が将来どのような大人になりたいか?」というイメージを持つ事ができたり、他人と自分を比較する事もできる様になります。ですが、そこで将来の夢があまりにも非現実的に見え過ぎると、同じクラスの子供たちに受け入れて貰えず孤立してしまい、友人関係や社会性が上手く育っていかない事も考えられます。また、他人との比較ではその中で生まれる劣等感や喪失感といった悩みが、自ら自尊心を傷つける事もあります。
いわゆる思春期とは、ただ体つきが大きく変わる時期だけではなく、認知発達の観点から見ても、社会の捉え方が大きく変わる時期なので、過剰に悩み、過剰に不安になる時期にあたると考えると理解しやすいのではないでしょうか👆
しかし、興味や趣味は個人の自由であるべきだと思います❗️❗️だからこそ、そこには個人差や発達差があるという事を知って、認知発達に合わせた支援が、障害の有無にかかわらず、重要であると思います✨🙌✨
以上が、前回から通して書いてきた発達障害の子供達の「なぜ社会生活で問題が生じやすいのか?」という所の脳機能の部分の記事でした🙇♂️
SSTを考える際に、すぐに社会生活スキルのモデル提示しをがち(自分も含め💦)ですが、まずその子供達の認知発達を知ってスキルの必要性や目的をしっかり理解してもらえるような伝え方も大事にしていきたいと思います🤗
※次回は自閉症スペクトラム(ASD)について、特性を判断する4つの視点について書いていこうと思います

🌱今週のST勉強室✏️ vol.6 子供の理解力👂を知って、適切な声かけ選び❗️
こんにちは。ことのは1号館、言語聴覚士の原田です🙇♂️
前回の予告で本日は、SSTについて具体的なトレーニング方法を書いていく予定でしたが、発達障害の子供達はそもそも「なぜ社会生活で問題が生じやすいのか?」という所の脳機能の部分をもう少し掘り下げる事が大事かなと思い、予定を変えて脳機能の話を書こうと思います。急な予定変更、申し訳ありません🙇♂️💦
では、なぜ発達障害の子供達は社会生活で問題が生じやすいのか?という所なのですが、それは子供達の【認知発達】が関係しています。発達障害の子供達は認知発達の部分的、もしくは全体的な遅れを意味しており、知能検査や認知検査によって主に診断をします🔍。認知発達とは概念の発達とも言え、様々な物・出来事などから共通の性質を取り出し、それらをまとめあげる力の事です。
例えば、人参・ピーマン・トマトの共通点を問われた時に「食べ物」より「野菜」と考える事ができる方が概念の発達としては高度と言えます。発達障害の子供達はそういった概念の発達が遅れている為に、自身を取り巻く社会を認知する際に歪みが生じ、その歪みがそのまま行動として現れ、トラブルが起きやすいのです👆
それでは、認知発達に必要とされる概念とはどういうものでしょうか🤔?具体的に書いていこうと思います📚
【類似概念】の発達:同じ仲間か、違う仲間かを理解する力。この力が未発達だと「型はめ」などのおもちゃで難しさが出たり、「下着の仲間」「上着の仲間」が理解できなければ、下着でお出かけしても恥ずかしいという事が理解できません❗️トランプ遊びにしても「ハートの7」と「スペードの7」が同じという事が理解できなければ、みんなと一緒に神経衰弱やババ抜きをする事が難しかったりします😢
【比較概念】の発達:類似概念が育ってくると、今度は同じもの同士を比較する比較概念を獲得していく事が重要になります。「どっちが大きい?」「どっちが小さい?」「どっちが多い?」「どっちが少ない?」とまずは2つのものを比較できるようになり、この比較概念を理解する為には、対義語の理解といった言葉の発達も必要になっていきます。
また、「どっちが強い力?」「どっちがやさしい力?」などの目に見えない対義語の理解はより難しく、その理解を促していく事で、自分の力を調整できる様になっていくといった行動のコントロールに繋がります。そうすると、「強く持たないで、やさしく持とうね!」といった指示も通りやすくなるかも知れないですね👆
私たち大人も、「子供たちはなぜ指示に従ってくれないか?」「なぜお友達とトラブルになってしまうのか?」という理由が分からないと、不安を抱く場合もあると思います😵 しかし、言葉の発達や認知の発達の観点から考える事ができれば、子供達にどのように伝えれば良いのか、イメージしやすくなるかもしれません👀
※具象概念についてはvol.2にて書いてありますので、参考にしてみて下さい🙇♂️
【比較概念と優先度の選択】:比較対象が目に見えるものであれば、視覚的に見比べる事ができますが、目に見えないものは聴覚的なイメージになるので、時間差・継時的な処理となります。人は、時間的に真近のもののイメージの方が印象に残るので、例えば、「やさしいけれど、お金には厳しい人」「お金には厳しいけれど、やさしい人」では、受け取る印象は異なると思います😆
この事を考えると、まだ言葉が十分に発達していない子供の場合は、目に見えない比較概念の2つの選択肢を出された時に、後ろの選択肢を選ぶ場合が多かったりします。例えば、眠たそうにしている子供に対して、親は「寝るの?寝ないの?」という質問をしがちですが、子供がまだ頭の中で比較するのが難しい場合、「寝ない」と答える事が多く、親は「寝なきゃダメでしょ!」と叱ったりします。しかし、これは誘導尋問のようなもので、子供は本当は「寝たい」と答えたかった時もあるかも知れません😵
このように、子供達にとって目に見えない概念の比較は難しいので、練習や学習が重要だとも言えます👆
【時間概念】の発達:時間概念の発達も社会性に関係しています。なぜなら、時間概念の発達が「待つ」という行動の獲得につながるからです⏰例えば、時計や曜日の理解が難しい子供に、「お誕生日に買ってあげるね!」や「クリスマスにサンタさんにもらおうね!」と言われても理解ができないので、我慢することが余計に難しくなります😥
この様に子供が指示通りに行動できるかは、大人がその子供の理解できる言葉で指示を出す必要があるとも言えますね👆
私自身も日頃の療育で子供達がどこまでの言葉が理解できているかしっかり評価する👀❗️という事を大切にしています。そこが適切に評価できると、指示の出し方は自然と正しく選べるかなと考えています🤗(評価の腕がSTとしての力量の差になると思いますので、日々精進です〜😂💦)
※次回は【抽象概念】と【仮説演繹的思考】について書いていこうと思います。

🌱今週のST勉強室✏️vol.2 テクニックを最大限に活かす為に必要なのは…💏信頼関係🤝❓
こんにちは。ことのは1号館、言語聴覚士の原田です🙇♂️
前回の内容はこれから言葉を取り込もうとしている時期の、言わば土台作りのお話でした。本日はある程度、言葉を取り込む力が付いた就学後の児童について考えていけたらと思います。ただ、個人的な感想も含まれていると思いますのでご配慮下さい😂
私が所属する様な療育事業所には未就学児が通える【児童発達支援】と就学児が通える【放課後等デイサービス】という区分わけがあります。ことのは1号館はどちらにも該当するのですが、上記で述べた様に就学児にもなると言葉の土台ができている児童も多くなります。
その場合、就学後の生活はこれまで獲得した言語能力を使い、如何に社会生活で他者と円滑にコミュニケーションを取っていけるか、という【ソーシャルスキル】が問われる場でもあります。
例えば集団遊びの中で順番が待てたり、ルールに従える事など(集団スキル)。物を壊したり、他人を傷つけてしまった時に謝る事など(謝罪スキル)などがあります。他にもお願い・要求スキルや非難スキル、SNSスキルなどがありますが、それぞれのスキルのトレーニング方法については今後、具体的に触れていこうと思います🙇♂️
それではソーシャルスキルのトレーニングの事を【SST】と言うのですが、SSTを行う際の大事な知識の一つとして【抽象概念の発達】というものがあります。抽象概念とは目に見えないものであり、絵に描く事や写真・動画で撮ることが出来ず、言葉で説明しないといけない概念の事です。例えば、動物や野菜といったカテゴリーにあたる概念がその一つです。犬やトマトのように概念が具体的になればなる程、目に見え特定されますよね(具象概念)。
抽象概念は平均9歳ぐらいで獲得し始めると考えられていますが、しかし発達障害の子供達は言葉の発達が遅れている為、抽象概念の獲得が遅れる事が多いのです。そして、その事によって友達との関係でトラブルが見られたり、先生の指示が理解できなっかたりするのです。
では、そういった場面に私達が出くわした際に思わず、やりがちな言葉掛けが「〜してはいけません😤」という指示だったりしないでしょうか?…少なくとも私は未だに言ってしまう事が…嗚呼、心が痛い〜😂
しかし、その否定的な指示は絵や写真で表す事が難しい抽象概念なのです。ですので、「〜しない」ことを絵で表すのは難しく、その為廊下を走らない事や友達と喧嘩しない事といった否定的な指示を絵で表す場合、それらをしている行為に❌をつける絵などが使用されがちです。むしろ、それは「してはいけない事」をイメージ化させてしまい逆効果なるのです❗️
大人でも「マスクを買い占めてはいけません❗️」と言われれば言われるほど、買い占める行動が見られたそうです😅 余談ですが、心理学的観点ではそういった人間の行動を【カリギュラ効果】とも言うそうです👀
ですので、望ましい行動へ修正する場合は「していい事」を目に見えるモデルとして示していく事が子供にも大人にも重要になるのですね👏✨
っと❗️、ここまでが教科書的な内容なのですが…📚 実際は、そう一筋縄には行かないのが現実かな❗️❓というのが私の印象です😣💦
何故なら、発達障害の子供達は家庭的環境も複雑であったり、社会に対する孤独感や不安感から自己肯定感が下がりやすく、または自分自身を理解してもらえない苛立ちだってあります😢 そういった心的要因もある中で一方的に「していい事」だけを伝えても素直に受け止めて貰えない時も多いです。 ですので、私はSSTの様なある種のテクニックも大事ですが、それよりももっと大切なのは💏 子供達との信頼関係🤝だと思っています。
子供達にとって(大人もそうですが…)信頼できない人の意見って、結局受け入れて貰えなかったり😭 、また逆に信頼出来る人の意見であれば、理解しようと努力してくれたりしますよね😊 。そういった信頼できる人達と一緒に行えた成功体験の積み重ねから、いずれどんな場面でも一人で踏み出せる勇気になっていくのではないのかな❓と思っています🤔
ですので、その信頼関係を築く為にこれからも、まず『私達から』子供達を理解しようとする姿勢を忘れず(=子供達の内なる気持ちに気付く事)、そして一方的に「教える」のではなく、自発的に「気付く」様な導き方を心がけたいと思います💪
※来週はモンテッソーリ教育から、幼児期の【イヤイヤ期】について書いていこうと思います。
