こんにちは。ことのは1号館、言語聴覚士の原田です🙇♂️
本日は子供達の遊びの中で、良く取り入れられる【感覚統合理論】について書いて行こうと思います🙌
感覚統合理論とは【視覚】・【前庭覚】・【固有感覚】・【触覚】・【聴覚】の5つの感覚が子供達にとって【発達の土台】になっているという考え方です。しかし、発達障害の子供達はその感覚の入力が過敏や鈍麻な事が多く、その為にその土台が崩れやすくなっているのです。土台が崩れやすいという事は、その土台の上にある、より高度な学習(姿勢、ボディーイメージ、言語機能など)が上手く積み上がらない事も意味しています。ですので、まず土台が凸凹になっている状態であれば、そこから平らにしましょう❗️という考え方が感覚統合理論のアプローチになります👆
そこで感覚統合理論のアプローチでは、子供達の行動から特性を理解し(前庭覚が鈍麻?過敏?、触覚が鈍麻?過敏?など)、その子供に合った遊びを選択してあげる事で満足感や達成感などを引き出す事を大事にしています❗️特に幼児期は満足感や達成感、「楽しい🎶」と思う気持ちは学習効果を引き出す上で必要不可欠なのです❗️❗️
感覚統合理論の3つの原則として☆感覚は脳の大事な栄養 ☆感覚入力には交通整理が必要 ☆感覚統合によって起こる適応反応(楽しい、達成感など)を引き出すという事が大切な考えになっています🔎✨
幼児期にとって「楽しい🎶」が得られる遊びは最大の学びの場なのかもしれないですね👀
アメリカでは遊びのプロ=保育士とその遊びを分析するプロ=作業療法士(OT)が保育園に在籍しているのは当たり前だそうです😵 日本も早く、そうなると良いな〜🤗✨
では、そのそれぞれの感覚について説明をしていきたいのですが、前庭覚と固有感覚はあまり聞き覚えのない感覚になると思いますので、少し説明しようと思います📚👆
前庭覚とは耳の中にある前庭という器官で感じる傾きや重力、回転などの感覚の事です。固有感覚とは筋肉や関節で感じる感覚で、例えば目をつぶっても肘がどのぐらい曲げているかが分かるのはその感覚のおかげです。余談ですが、元10種競技の日本チャンピオンの武井壮さんは、その固有感覚をトレーニングで極める事で頭のイメージを正確に体現できる能力を身につけたそうです(笑)😵
では、5つの感覚が過敏や鈍麻の状態にあるとどういった行動として現れるか、下の図で表したいと思います👇
子供の発達を促す為には、上記の事を踏まえてその子供の行動から特性を理解し、その子に合った遊びや環境調整を選ぶ事が大切になってきます。そうする事で感覚統合理論の3原則の一つでもある適応反応を引き出す事ができ、より良い学習効果を上げる事ができるのです🤗
では、実際にそれぞれの特性に合った遊びや環境調整の例を少し紹介したいと思います👆
視覚(視力ではない):過敏→あまり視覚的な刺激が入らない、シンプルなお部屋での学習など。鈍感→色鮮やかな教材などを使用するなど。
聴覚(聴力ではない):過敏→静かなお部屋での学習など。鈍感→絵や文字など視覚的な情報を使い学習をする。スイカ割りの様な聴覚を頼った遊びをする事で聴覚を強化するなど(ここでの聴覚は聴力の事ではないので、難聴に対する聴力強化遊びには該当しません🙇♂️💦)
触覚:過敏→スライム遊びなど本人が好まない感覚は直接行わない。その場合、スライムにシェイビングクリームやつぶつぶなどを入れて触感を変える事で、ハードルを下げるなど。圧刺激を一緒に入れてあげる事で触覚の感覚が緩和される事もあるので、お風呂で柔らかい垢擦りタオルで優しく擦ってあげるなどもアプローチとしてあります。鈍感→泥んこ遊びやボディーぺインティング、カラーボールプールなど。
固有感覚(過敏は殆どないので鈍感のみ紹介):鈍感→綱引きで思いっきり力を使った後に、お皿の上にボールを乗せて落とさない様に歩く遊びなど。力の100%を知って、その後に力の調整を知る事が大事❗️
前庭覚:過敏→スキンシップを入れ安心感を与えながら、一緒にゆっくりブランコに乗ってあげるなど。鈍感→ブランコやトランポリン、滑り台など。
※自閉スペクトラム症の感覚過敏は幼少期から6〜9歳まで増加し、9歳以降で減少する傾向にあるというデータがあります。感覚過敏に対し無理に慣れさせる事は子供自身にとって恐怖にしかならない場合があるので、環境調整(嫌な感覚から回避させあげる事)が主なアプローチかなと思います😆
以上で本日の記事は終わりになりますが、前庭覚が鈍感な子供達は結構多く、毛布などに包んでクルクル回す遊びが大人気なる事が多いです💫 🎶
その度に、ことのは男性職員が汗水💦を流しながら、嘔吐(笑)と戦っている場面はあるあるの光景になっているのでした〜😂チャンチャン🎶
※次回はvol.1で書いた9ヶ月革命や9ヶ月の奇跡について、もう少し掘り下げて書いて行こうと思います。